防災力を最大化するデジタル技術の社会実装を目指して

AI防災協議会 理事長

臼田裕一郎(うすだ・ゆういちろう)

国立研究開発法人防災科学技術研究所 総合防災情報センター長/防災情報研究部門長

筑波大学 理工情報生命学術院システム情報工学研究群 教授(協働大学院)

防災DX官民共創協議会 理事長

設立の背景・目的

高い確率で甚大な被害が想定されている南海トラフ地震や首都直下地震、毎年のように全国で発生する風水害・土砂災害、経済被害が膨大となる雪害など、災害大国と呼ばれる我が国では自然災害が頻発化、巨大化、複雑化しています。その一方で、防災施設の限界や少子高齢化により、災害対応のための有形・無形資源が乏しくなり、社会の脆弱性は高まっています。

その中で、一つの希望の光が「デジタル技術」です。AI(人工知能)をはじめとした先端技術の発展は目覚ましく、その可能性は計り知れないものがあります。これを最大限活用することで、より強大化している災害に打ち克つことはできないか。日々、研究開発・技術開発が各所で進められています。

しかし、技術を適用すればそれでよい、ということにはなりません。それを社会になじませるには、様々な課題があります。これを解決する取り組みも各所で行われていますが、そのリソースにも限りがあります。

そこで、同じ思いをもって取り組んでいる有志が産官学から集まり、共通課題を協働で解決し、良いデジタル技術を良い形で社会に実装していけないか、ということで設立されたのが、このAI防災協議会です。

防災は我が国全体、さらには世界全体の共通課題です。悩むなら一人よりみんなで。あなたの力がみんなの力になり、みんなの力があなたの力になります。ぜひ、AI防災協議会で、デジタル技術をフル活用した防災力の最大化を実現しましょう。